TOEICパート4攻略ガイド:上位得点者が明かす成功のコツ(先読み)

 

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英会話完全ガイド2024年版』でオンライン英会話スクールの評価とランキングについて記事を寄稿しました。この記事では、紙面では掲載しきれなかったデータや分析を詳細に紹介し、読者に役立つ情報を提供します。
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TOEICパート4の基本解説

TOEIC画像

パート4のテスト形式

TOEICのパート4は、ショートトークと呼ばれる部分で、英語での短いスピーチや報告を聞いて問題に答える形式です。主に、ビジネスや日常生活に関連する状況設定で、スピーカーが独白を行います。それぞれの独白は、約30秒から60秒で、その後にそれに対する3つの質問が出題されます。

各質問に対して、A、B、C、Dの4つの選択肢から一つを選びます。

例題:
Speaker: "Good morning, everyone. I want to inform you that the meeting originally scheduled for 10 a.m. tomorrow has been moved to 2 p.m. instead. Please adjust your schedules accordingly."
Q1: When was the meeting originally scheduled for?
A) Today at 10 a.m.
B) Today at 2 p.m.
C) Tomorrow at 10 a.m.
D) Tomorrow at 2 p.m.

 

 

パート4で評価されるスキル

パート4では、特に下記が求められます。

  • 聞き取り力
  • 情報把握力
  • 論理的推理力

短いスピーチや報告を聞いて、その内容を理解し、具体的な情報を把握し、その情報に基づいて論理的に考える能力が試されます。

また、文脈からの推測も重要で、聞いた情報だけでなく、それが何を意味するのか、何を暗示しているのかを理解する能力も求められます。

 

 

パート4の頻出話題

パート4の話題は、ビジネスや日常生活に密接に関連しています。

例えば、下記のような話題が出題されます。

  • 会議のスケジュール変更
  • プロジェクトのアップデート
  • 新製品の発表
  • 社内のイベント
  • 旅行の計画など

これらの話題に対する理解を深めるためには、それらの状況に関連する一般的な表現や語彙を理解しておくことが有効です。

 

TOEICパート4の攻略法

strategy(戦略)

スピーチ全体への理解力強化

TOEICパート4のスピーチは、一般的に2-3分間で、それが一貫したテーマに基づいています。

したがって、聞き手はスピーチ全体の流れを追い、主要なポイントやアイデアを把握する必要があります。これを達成するためには、スピーチの冒頭で話し手がテーマを明示することが多いので、その点をしっかりと捉えることが重要です。また、スピーチの中で話し手が強調したり、一時停止したりする箇所には、重要な情報が含まれていることが多いです。

 

高度な語彙力と聞き取り能力の向上

TOEICパート4では、スピーチの内容を理解するために高度な語彙力と聞き取り能力が求められます。スピーチの内容は専門的な話題を含むことが多いので、多様な分野の語彙を学習することが必要です。また、話し手の発音やイントネーション、スピードに慣れることで、聞き取り能力を向上させることができます。

 

 

詳細な情報の捉え方と解析

TOEICパート4の問題では、スピーチの具体的な詳細について質問されることが多いです。これには、具体的な数字や事実、例示などが含まれます。

したがって、これらの情報を確実に捉えることが重要となります。試験中にはメモを取ることはできませんが、要点を頭で覚えておくテクニックを駆使します。

例えば、情報が列挙されている場合、指を使って順番に数え、その情報を記憶に留めるなどの方法が有効です。また、指で数えながら確認するのも良いでしょう。

さらに、話し手が示した情報が質問と一致するかどうかを確認するために、問題文を注意深く読むことも重要です。念入りに問題文を読み、質問が何を尋ねているのかをしっかり理解しましょう。そうすることで、情報を把握した上で正確な回答を選ぶことができます。

 

TOEICパート4: 頻出問題シーンとその対策

スピーチの主題と詳細の理解

TOEICパート4では、スピーチの主題と詳細について質問されることが多いです。主題についての質問では、スピーチ全体の中心的なアイデアや目的を理解する能力が求められます。

また、詳細についての質問では、具体的な事実や数字、例示などを正確に捉える能力が求められます。これらの問題に対する対策としては、スピーチの流れをしっかり追い、重要なポイントをメモすることが有効です。

 

 

話し手の意図と視点の把握

話し手の意図や視点を理解することも、TOEICパート4の重要な要素です。

このタイプの質問では、話し手が何を強調したいのか、どのような意見や態度を持っているのかを読み取ることが求められます。そのため、話し手の言葉遣いやトーン、発話の内容から推論を立てる能力が必要です。

例えば、以下のようなスピーチがあったとします。

私たちの会社は今年、売上高で過去最高を記録しました。
しかし、それは全ての従業員が一丸となって努力した結果であり、個々の業績によるものではないことを忘れてはなりません。
今後も、困難な状況が訪れたとしても、一緒に乗り越えていくことが重要です。

このスピーチから、話し手が強調したい点は「チームワークの重要性」であることが読み取れます。また、話し手は全体の成果に対する個々の貢献を認識しつつ、同時に個々の業績によるものではないという視点を持っています。これらの情報は、質問に対する回答を選択する際に有用な情報となります。

 

 

企業広告に見られるポイント

企業の広告はTOEICパート4で頻出する問題パターンの一つです。広告の話の展開を予想し、具体的にイメージすることで情報が記憶に残りやすくなります。

特に、お店の広告や館内放送では以下のようなパターンが一般的です。

  1. まず顧客に問題を提起し
  2. 次にその解決策を提示し
  3. 最後にお店の自慢や特典を紹介します。

 

具体的には、

  1. 聞き手である顧客に対して「こんなお困りのことはありませんか?」という形で問題を提起します。
  2. その問題の解決策が自社の商品やサービスにあることを明示します。
  3. その後、お店の売りや現在開催中の特典、セール情報などを紹介します。

特に注意すべきは、「What’s more〜」や「more over」などの表現です。

これらは「さらに」を意味し、この表現の後に重要な情報が来ることが多いです。設問で狙われやすいので、聞き逃さないように注意が必要です。

 

 

ラジオニュースの聞き取り方

ラジオニュースはTOEICパート4でよく出題されるテーマの一つです。特に地元のイベント告知や交通情報が頻繁に登場します。

地元ラジオの場合、

  • チャリティーやボランティアの話題が多く出題されます。
  • また、交通情報では事故や工事による渋滞情報がよく取り上げられます。

どちらの場合も、注意点やアドバイスなどが設問になる可能性があるため、これらの情報には特に注意が必要です。

 

チャリティー関連の問題については、「raise funds」(資金を集める)という単語が重要です。この単語を理解しておくことで、質問の内容を正確に把握しやすくなります。

 

 

ツアーガイドの発言理解法

TOEICパート4では、ツアーガイドによる発言がしばしば取り上げられます。そのパターンは通常、ガイドの自己紹介、ツアーの注意事項、そして次に行う行動についての説明、という流れになっています。

  • ガイドの自己紹介は重要
    これによって、話者と聞き手の立場や状況を正確に理解することができます。
  • 「tour」という単語の発音に注意することも必要
    これは日本語の「ツアー」とは発音が異なるため、正しい発音を理解していないと情報を逃す可能性があります。
  • そして最も重要なのは、ツアーの注意事項
    これはほぼ必ず設問のポイントとなるため、ツアーガイドの話をよく聞き、注意深く理解することが求められます。

 

スピーチ・トークの解析法

TOEICパート4では、様々なスピーチの形式が取り上げられますが、その中でも2つが特に出題されます。

  • 記念スピーチ
  • 送別スピーチ

話者の立場は質問で取り上げられることが多いので、それに注意することが重要です。スピーチの種類は自分が発信するものだけではなく、退職者への感謝や受賞者の紹介など、他人のスピーチを前置きする形式も存在します。

重要な単語として、「farewell」(送別会)を覚えておくと役立つでしょう。

 

しん英会話

また、よく出るテーマとしては、「社長から社員への日頃の感謝を込めたスピーチ」や「長年勤続していた方の送別スピーチ」などがあります。これらのスピーチは、自分自身がその場にいると想像しながら聞くと、より理解しやすくなります。

 

 

会議録音の解釈

TOEICパート4では、会議のシーンがよく登場します。そのパターンは主に以下のようになります:

長文の流れ
  1. 会社の現状の説明
  2. 何か不調であればその打開策の話し合い
  3. 次に行うべき行動についての話

 

押さえておくポイント
  • 主にリーダーが会議を取り仕切り、進めていきます。話し手の立場や役職はしばしば冒頭で紹介され、これは質問で取り上げられやすい点です。
  • 次に起こすべき行動についての話は、設問の重要なポイントとなることが多いです。
  • また、新入社員の紹介も頻出のシーンなので、これらのパターンをしっかり理解しておくことが重要です。

 

 

電話応対シーンの対策

TOEICパート4では、電話応対のシーンがよく出ます。
特に、何かの変更事項が生じ、それを伝えるための一方的な留守電メッセージの場面が多く見られます。

以下のポイントについて注意が必要です:

  • 電話をかけてきた相手は誰なのか
  • その人が何の目的で電話をかけてきたのか
  • 留守電を聞いた後、どのような行動を取るべきか

これらの情報はよく設問の中で問われます。

 

もし実情が変わった場合

また、以下の表現も重要です:

  • "If that is not the case":これは「もし状況が変わっているなら」という意味です。
    "the case"は「事実」または「実情」を指します。

 

水漏れ

また、TOEICでは水漏れに関する話題もよく出ます。日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、海外では水漏れは一般的な問題です。

例えば、水漏れの修理に関する留守電メッセージなどが出ることがあります。

以下の単語も重要です:

  • Leak / Flooding:水漏れ
  • Plumber:配管工(発音に注意:プラマー)

 

意図問題の解答法

TOEICパート4では、しばしば「意図問題」が出題されます。
これは、文章中の特定のセリフが設問に提示され、

  • imply(暗示する)」
  • mean(意味する)」

を問う形式です。

意図問題のメリットは、設問文内の「本文中のセリフ」から確実な事前情報を得られる点です。

 

解答する際の戦略としては、「だから〜だよ」と続けて自然に聞こえる選択肢を選ぶことが有効です。
意図問題は基本的に話の流れが重要なので、単にセリフを追うのではなく、話全体の流れを掴めるように意識することが重要です。セリフに焦点を当てすぎて他の部分を聞き逃さないように注意しましょう。

 

また、以下の表現も重要です:

  • "Unfortunately":「あいにく」
    感情を伴うこのような単語の後には、話者にとって重要な情報が続くことが多いため、設問になりやすいです。
  • "Could":「〜かもしれない」
    これは「can」の過去形としてではなく、仮定法の推量的意味で使われることが多いです。
    「If」がなくても、まずは仮定法として解釈してみることがおすすめです。

     

    図表問題の攻略法

    放送されるトーク文と問題用紙の図表を関連付けて解答する問題タイプに遭遇する場面もあります。図表を先読みして把握しておくことで、トーク文で注目すべき部分を予め特定できます。

    TOEIC 700点以上の方は、先読みは図表問題解答の重要な要素であり、試験時間を有効活用するための手段です。パート1, 2のディレクションタイムでもパート3, 4の図表をチェックすることを私はおすすめします(リスニング試験中にリーディング問題の閲覧は不可ですが、リスニング問題なら先読みは許可されています)。

    選択肢に出ているキーワードの反対側にある情報が本文で出てくる可能性が高いという点も覚えておきましょう。設問の順番は話の流れの順番に従うので、どの部分で図表関連の話題が出やすいかを予め理解しておくことで、キーワードを見つけやすくなります。

     

    以下に、具体的な解法例を提供します。

    例1:

    TOEICパート4の出題選択肢になっている赤枠部分のキーワードと反対側の青枠のキーワードに注目し、青枠のキーワードに対応する内容が本文で出てくる可能性が高いと予想します。

    TOEICパート4の出題

    実際にリスニングで流れた本文で「70%の人が使っているサービス」との言及があるとすれば、「Wallpaper」のAを選択すれば正解になります。

     

     

    例2:

    TOEICパート4の出題

    選択肢になっている赤枠部分のキーワードと反対側の青枠のキーワードに注目し、青枠のキーワードに対応する内容が本文で出てくる可能性が高いと予想します。

    TOEICパート4の出題同様に、赤枠部分のキーワードと反対側の青枠のキーワードに注目します。
    本文で「私達のパフォーマンスは11:15」との言及があれば、「Block2」のBを選択すれば正解になります。

     

     

    しん英会話

    ただし、先読みのリズムを崩さないように注意が必要です。図表問題はパート4の中で後半に出題されるため、その前までの先読みリズムが崩れるとパフォーマンスに大きく影響します。図表問題をしっかり先読みするためにも、前の問題に引きずられないようにすることが重要です。

     

     

     

    リスニング問題の攻略法:先読みテクニック

    理想的な先読みの手法

    TOEICのパート2が終了し、パート3が始まるまでのディレクションも有効に利用しましょう。

    TOEICパート4の出題

    公式によれば、パート4のディレクションだけでも約30秒の時間があります。
    パート3の最終問題が終了したらすぐにパート4の先読みを始めることが有効です。

     

    理想的な先読み時間は13秒以上とされています。パート3では問題本文の音声が終了後、設問文の読み上げ(約5秒)と無音の解答時間(約8秒)が設けられています。本文の音声が終了したらすぐに3つの設問に対する回答を終わらせ、次の問題の先読みに移ることが重要です。

    TOEICパート3の出題

    設問文の先読みは必須で、選択肢まで読むかどうかは個人の好みによります。ただし、選択肢の中の3つは不正解の情報であることに注意が必要です。

     

     

    時短テクニック:設問の先読みを1度で記憶する方法

    TOEICの設問にはパターンが存在します。したがって、何十回と演習を解き、出題パターンを理解している場合、キーワードのみを拾い読みすることが有効です。ただし、これは何百回も設問の先読みを繰り返した結果得られる技術で、基本的には「拾い読み」は推奨されません。

    以下に、設問文から重要なキーワードだけを拾い出して理解する例を示します。この例では、青字のキーワードだけで設問の大枠を把握することができます。

    What does the speaker say about the repair?

    When can the listener pick up his car?

    What does the speaker offer to do?

    What kind of business does the speaker work for?

    Why does the speaker assign extra work to the listeners?

    What does the speaker ask listeners to tell customers about?

    What bothers the man about Torland Advertising?

    What does the man mean when he says, “Here’s the thing”?

    What are the listeners asked to look at?

    Where most likely is the speaker?

    ・Look at the graphic. Who will be the final presenter?

    ※設問例文はTOEIC公式サイト サンプル問題PART4より)

    しん英会話

    個人的には設問Q1→Q2→Q3→Q2→Q1の順に先読みしています。
    あなたが好きな順番で設問を先読みし、リスニングの本文に取り組む方法を試してみてください。
    パート4ではテーマや話の流れがパターン化しているため、先読みを誤ったとしても頻出パターンを把握していれば予測が可能です。本番に向けて事前の準備はできる限り行っておきましょう。

     

     

    TOEIC パート4まとめ

    TOEIC画像

    PART4の特性と注意点

    1. 心構え
      全ての英文を聞く意志を持つ 会話には一貫性があるため、全ての英文を注意深く聞くようにしましょう。
    2. 先読み
      設問は先読みが必須です。
    3. 心の切り替え
      重要です。わからない場合や迷う場合は自分のルールを設けておくと良いでしょう(例:「迷ったらAを選ぶ」)。先読みのリズムが崩れると後の設問への影響も大きいので注意が必要です。
    4. 頻出表現、慣用表現
      しっかりと理解しておきましょう。これらの表現は一定のパターンを持っているため、リンキング(語と語のつながり)が生じやすく聞き取りにくくなります。リンキングした際の発音を練習中に覚えておくと、本番でも聞き取りやすくなります。
    5. 内容を視覚化
      聞き取った内容を絵で思い浮かべる練習をしましょう。イメージは印象に残りやすく、記憶にも残りやすいです。参加者や当事者として自分を位置づけて聞くと、より印象に残りやすいでしょう。
    6. 設問の焦点
      トーク文では以下の3つのポイントがよく設問になります。
    • トークをしている人の立場、職業など、話者の情報
    • トークの目的
    • トーク中で話者が特に注意、注目を求めている事項

    基本的には、PART3とPART4は同じ心構えで臨むことが有効です。特に5と6はPART4のトーク文特有の特性であり、把握しておくと非常に役立ちます。

     

    成功への最終チェックポイント

    最後に、TOEICパート4はリスニング能力を総合的に評価するセクションです。

    ここでは、特定のテーマについての理解、複数の視点を比較・分析する能力、そして主要な情報を記憶する能力が求められます。これらのスキルを習得し、継続的な学習を行うことで、スコアアップを実現しましょう。一度に全てを理解しようとせず、まずは自分のレベルに合った部分から始めることも大切です。着実にスキルを積み上げ、自分のペースで学習を進めていきましょう。

     

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